日本の桜と伝教大師の灯

 

京都の桜の名所 平野神社の『魁桜』

 

 今回私が京都の桜巡りを始めた平野神社は、京都市北区平野宮本町1という場所にあり、平安遷都の794年に桓武天皇により、飛鳥平城京より主祭神を勧請し創建されたと伝えられています。

 

桓武天皇は天智天皇のひ孫にあたり、曾祖父を深く慕っていたと言われ、大津京を天智天皇が遷都した時に滋賀県大津市比叡山坂本の日吉大社に、飛鳥三輪山の大神神社の主祭神を勧請した時と同様に、平野神社に都の平安への願いを込めました。

 

日吉大社は大津京だけではなく平安京の表鬼門を守護する神社としても、京の都を守ってきました。

 

そしてこの地を中心に京都の都を守護する願いが込められた神社の神紋は桜で、こちらも近江神宮の桜にさざ波紋と同じ桜で、いつの時代も、日本の国造りは桜と信仰と共にあったと考えられます。

 

 

日吉大社発祥の桜『日吉桜』

滋賀県大津市 比叡山坂本参道

 

 

伝教大師の願いであった『戒壇院』

比叡山延暦寺

 

 さらに今回巡った京都の桜の名所はいずこも水が豊かだったこと、そして水と共に比叡山との縁もあることがわかりました。

 

 この春の京の桜巡りを平野神社にて終了した時に、JR円町駅の空で見上げた『虹』のことが掲載された、京都新聞2022年4月12日の記事の下部には、2021年から続く最澄没後1200年目の大遠忌を記念した特別展『最澄と天台宗のすべて』が、新聞掲載日から京都国立博物館にて開催されるという内容の記事があり

 

毎回本を製作するときの見えない依頼主は、最後に答え合わせが出来るので、今回の京の桜の本は、今後の日本と世界の平和を願われている伝教大師からだったと、私が京都の桜の本を出版するように導かれた、長い軌跡を振り返り理解する事ができました。

  

 

『最澄と天台宗のすべて』展

京都市東山区 京都国立博物館

 (2022年4月12日 京都新聞朝刊より)

 

 伝教大師没後に、比叡山延暦寺の東塔と西塔エリアに続く、横川エリアの整備にあたった、比叡山坂本の求法寺『走井大師堂』の元三大師の書物によると、伝教大師も元三大師も入滅の際、比叡山に煙とも雲とも思えない美しい紫気が立ち上ったという言い伝えが記されています。

 

 

虹も祥瑞もそれを私たちが見られるのは水が天にあるから、そして京都の山々から流れ込む川の水と、比叡山から湧き出た琵琶湖の水が、京の都を守って来たのだと今回の桜巡りを通してよくわかりました。

 

 

日吉大社の境内を流れる、比叡山を源流とする美しい大宮川の水

 

 伝教大師が未来永劫伝えたかった大乗仏教とは『忘己利他(もうこりた)』の精神と『一隅を照らす』の実践で、そのような人こそが国の宝であるという教えでした。

 

 ~あきらけく のちの仏の み世までも 光伝えよ 法のともしび~

 

この和歌は、全ての人々を救う教えを志して、伝教大師がたった一人で比叡山に登った時の、決意を詠んだとされます。

 

 

伝教大師案内より

比叡山延暦寺

 

 伝教大師の詠まれたこの和歌に込められた思いを、開山から今も絶やすことなく1200年灯る、比叡山延暦寺 根本中堂の『不滅の宝灯』は伝えています。

 

 

桜の今を知ることを通して、桜だけでなく日本を支えてきた沢山の人々の思いを学ばせていただきました。

 

 

比叡山と平安京遷都案内より

比叡山延暦寺

 

京の桜を巡り日本の今を知ることが出来た今回の旅において、桜と日本人の幸せには大きなつながりがあるとわかりました。

 

そして残念なことに、現代社会の陰で消えつつある桜の現状も見つめてきました。

 

 

 伝教大師最澄の御廟所『浄土院』

比叡山延暦寺

 

 日本の心を伝える桜を枯らさないように、そして伝教大師の不滅の宝灯への祈りを、未来へつないで行けますように

 

日本と世界の平和を願いながら桜を描いて本を製作していきます。

 

 

浄土院で見上げた空の彩雲

比叡山延暦寺

 

 

ふるさとの桜『日吉桜』のボタニカルアート

 

 2022年4月12日

 kuni