MIZU no KUNI

水の国日本のおへそびわ湖

 海に囲まれる日本は、神話によると金色の龍の姿をして空を漂っていた神様が、海に浮かび日本の国になったと伝えられています。九州を龍の頭部として、私の住む滋賀県にある琵琶湖はちょうど龍のおへその部分にあたります。古代湖として知られる琵琶湖では、様々な生き物が暮らしています。世界の湿地帯を繋ぐラムサール条約も結ばれていて、生態系は地球規模です。また古くから沢山の伝説も残され、人々の暮らしと関りが深かったことがわかります。琵琶湖は比叡山や周辺の山々とも深いつながりがあり、万葉の時代には国際都市としての日本と内海をつなぐ日本海ルートの拠点をになっていました。ここでは、私の出会った多彩な顔を持つ琵琶湖の景色をお伝えしていきます。

 

 

 比叡山からの湧き水が、大宮川を経て琵琶湖に注ぐエネルギーは底なしの愛です。それは日本の気を循環させる、大きなネットワークの中心になる存在のようだと、自然の中で絵を描くものとして直感的に思います。そして万葉の時代に天智天皇がびわ湖の畔に遷都された『大津京』では、671年に日本で初めて時を刻む『漏刻』が生まれ、そこにも水が用いられています。時間を示す水も、人と天を繋ぐ癒しとなっています。

 

 

 水と時間のどちらもが合わさっている漏刻には、大切なメッセージが隠されているようです。水と時間はなぜ天のものなのか、それは魂がこの世に生まれてくるときに与えられた贈り物だからです。心臓の音が時計と似ているのは、命=時間でありそのことを忘れないため、そして水も同じく、この世界に生きるすべてのものにとって命そのものです。

 

 

 水は雨となりまた蒸発し、地球上で循環し続けてくれています。日本のおへそびわ湖は、水という命の脈をとおして、日本だけでなく地球と愛の交流も行って、日々変化し成長を続けています。水に感謝を捧げながら、そのエネルギッシュな湖を大切に見つめていきます。

 

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